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サンノゼのJapantown

サンノゼに出張で行って来ました。正直なところ特に何もない退屈な町でした。
しかしここには「ジャパンタウン」と呼ばれる一角がありました。
これまでサンフランシスコ、L.A.に行きつつも、ジャパンタウンには目もくれなかった私。そりゃあそうです、だって2年間だけしかいられないアメリカです。2年過ぎれば否が応でも帰ることになる日本なのだから、何でわざわざジャパンタウンなんぞに行かにゃならんのさ、っていうのが(お恥ずかしながら)私の持論でした。
とは言え、5日間を過ごすにはあまりにも手狭なサンノゼのダウンタウン。とりあえずジャパンタウンに行ってみる事にしました。実はジャパンタウンはライトレールの駅名にもなっているのです。これは分かりやすい。
サンノゼのJapantown_d0031192_13491313.jpg

とても静かな住宅地の街灯に飾られた「Japantown」と書かれた垂れ幕。「ああ、もうここがジャパンタウンか」と思いつつ、とぼとぼ進むと「日米物産」と書かれたお店を発見。サンノゼのJackson St. とFifth St.の交差点を中心にこぢんまりとした広がりを見せているのが、ジャパンタウンです。日本食レストランだけでなく、豆腐屋さんや和菓子屋さんなど、色々なお店がありました。日系人博物館もあるのですが、現在改装中で2008年まで閉館中とか。本当に残念。
交差点に設置された日系人の入植からの略史を読み、僕は自分の心を入れ替えねばと思いました。僕ら日本人が、アメリカに移住した日系人の歴史を知らないというのはダサイなって思ったのです。彼らがどれだけの苦労をして、アメリカ社会で生きてきたのか。サンノゼのジャパンタウン訪問は、もう一度日系人の歴史に思いを馳せる機会になりました。
今でこそ日系アメリカ人は、アメリカ社会における信頼を勝ち取り、閣僚や議員などの要職を占めるまでに至りました。でもその歴史は過酷なものだったのですね。

ジャパンタウンってのは、肩身の狭い思いをせざるを得なかった時代の日系人達が、互いに助け合い必死で生きていく中で生まれた、小さな日本だったのですね。サンノゼのジャパンタウンは、誕生した頃とほぼ同じ場所に今も存在しているらしいですよ。
ところで、元気いっぱいのチャイナタウンとかコリアンタウンと違い、どこか元気の無いジャパンタウン。でもその理由を僕はこう考えました。
ジャパンタウンが元気が無いのは、日系人がアメリカ社会での信頼を獲得して安定した生活基盤を固めるまでに至り、その多くがここを巣立って行ったという証なのではないでしょうか。つまり日系人であると言うアイデンティティは持ちつつも、アメリカ社会に完全に根を下ろした証拠が、ジャパンタウンの縮小化や元気の無さなのではないでしょうか。

ジャパンタウンの元気が無いのは寂しいですが、日系人が完全にアメリカ社会に根付いたということは喜ばしい事ですよね。これからはSFでもLAでも、ちゃんとジャパンタウンに足を踏み入れなくちゃいけませんな。この日「Gombei Restaurant」で夕食を食べましたが、久しぶりに「定食屋」に入ったような感じで、大満足でした。

Gombei Japanese Restaurant
193 Jackson Street,
San Jose, CA 95112
TEL:408-279-4311

  by masa-beatles | 2006-10-13 14:24 | 旅情編

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